2013年12月7日土曜日

[AWAC2013]今年一番ヒットだったツールは「RICOH THETA」

いきなり世界が真っ白になった青森の2013年12月7日。Aomori Web Adevent Calendar 2013 7日目のこくぼあつしです。

今年一番ヒットだったツールは、RICOHの全天球カメラTHETA(シータ)です。
いわゆるパノラマ写真を撮影できるカメラです。



このカメラのすごいところは、シャッターを1回切るだけで全周囲撮影できるところ。これがなんとおよそ4万円。

欠点は、画素数が3584x1792と少ないことと、暗所でのノイズが多いこと。しかし、それを補って余りあるお手軽さ。

シャッターを切って急いでぐるりんと回って撮影する必要もなければ、パシャパシャと分割して撮影したものをパノラマ合成ソフト(スティッチングソフト)でつなぐ必要もありません。
その秘密は、2つの超広角の魚眼レンズ。これが前後に2つついていて、本当に1シャッターで全周撮影できます。そして、カメラの中で、正距円筒図法(Equirectangular)の画像に合成してくれます。



 今まで、このような写真を撮影しようとすると、ある程度広角なレンズ、カメラをのせて回転させる雲台といった機材を使って、ちょっとずつ角度を変えて分割撮影し、それをHuginなどのパノラマ合成ソフトで合成していました。また、表示するにはパノラマ画像表示ソフトが必要で、よく知られた実例はQuickTime VRです。

たとえば、以下のような本にその方法が解説されています。


あるいは、Googleストリートビューのように、全天球が1シャッターで撮影できるように、カメラを何台も組み合わせたシステムが必要でした。

RICOHの全天球カメラTHETAは、これらをシャッターを1回切るだけでできるようにしてくれました。

最初に書いたように、画素数は3584x1792。もしも普通のカメラで横1周ぐるりんと8分割して撮影したとすると、1ショットあたりの横幅は3584/8=448画素に相当します。かなり粗い画像だと言えるでしょう。

また、暗いところで撮影すると、ノイズが目立ちます。

しかし、なんと言ってもお手軽です。

撮影するには直接シャッターボタンを押してもいいし、iPhoneやAndroid用の専用アプリなどからリモート撮影も可能です。

THETAは無線LANの親機になることができます。iPhoneやAndroidから、THETAに無線でつなぎ、専用アプリを起動すると、リモートで撮影したり、カメラ内の画像を取り込むことができ、全天球画像を楽しめます。また、PCにUSB接続すれば、普通のカメラに見え、正距円筒図法の画像を取り出すことができます(Macの場合、iPhotoなどを経由)。

また、Webで公開するための手段も用意されています。
必要なのは、Facebookアカウントと専用アプリ。専用アプリに画像を取り込んで、Facebookアカウントでtheta360.comにログインします。すると、画像を投稿して共有することができます。


この画像はPCやスマホなどから、そのまま閲覧することができます。
また、FacebookやTwitter、Tumblrに投稿することもできます。

現状、theta360.comのサイトでは、サーバーサイドにはRuby on Railsを使っているっぽく見えます。そして、RICOH THETAで撮影された正距円筒図法画像をAmazon S3に保存しているようです(似たようなシステムの構築方法は、栗田由菜、『RailsとiPhoneではじめるアプリケーション開発』、インプレスジャパン、2013年あたりに)

その画像をPCなどからはFlashを使って見ることができるようになっています。
また、スマホなどから見る場合には、画像を立方体に投影し、CSS Transforms Module Level 1を用いて、表示しているようです。

あまりにおもしろいので、WebGLを使って正距円筒図法のパノラマ画像を表示するアプリTheta Viewerを作ってみました。jQueryのプラグインなので、Web屋さんには簡単に使えると思います。


 ちなみに今日までのAomori Web Adevent Calendar 2013は、以下のみなさんでした。


明日は、すどうまさゆきさん!

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